健康全般

トウガラシで体脂肪の燃焼

トウガラシには、カプサイシンという辛味成分が含まれています。
この辛味成分には糖質や脂質を積極的に燃やしたり、運動をした場合の持久力を高めたりする働きがあることが、すでに動物実験で明らかにされています。

そこで私たちは、この動物実験の結果を踏まえ、人間の場合でも似たような結果が得られるかどうかを探ってみました。
人間が日常的に食べられる量のトウガラシを取り、その後運動するとどうなるか、糖や脂肪がよく燃えて肥満の解消効果が高まるのかどうか、健康な男子学生を対象に実験を行いました。

実験で使ったのは、粉末1gにカプサイシンが300μg(1μgは100万分の1g)含まれているトウガラシです。
この粉末1gをみそ汁に入れて摂取し、2時間後に固定自転車で自転車こぎをしてもらいました。

自転車こぎについては、最初の30分を、最大酸素摂取量(その人が体内に取り込める酸素の最大量)の50%の酸素を消費する運動強度でやってもらいました。
その後は60%、70%、80%の酸素を消費する運動強度で、それぞれ3分ずつ自転車こぎをしてもらいました。

最大酸素摂取量の50%、60%の運動強度…といっても、具体的にはどの程度の強さの運動なのか理解できないかもしれません。
例えていえば、最大酸素摂取量の50%を消費する運動は早めのウォーキング、60%を消費する運動は軽いジョギング、80%を消費する運動はきついジョギングと同じ程度の運動強度と考えてください。

実験では、トウガラシ粉末の摂取量を1gの場合だけでなく、2g、5gにふやした場合でも同様の運動をしてもらいました。
そして、それぞれの場合の酸素摂取量や心拍数、炭酸ガスの排出量、脂肪の燃焼などについて調べました。

その結果、トウガラシを1g取って軽い自転車こぎをしたときは、脂肪がよく燃えました。
一方、トウガラシを2g、あるいは5gと量を増やしたときは、脂肪ではなく糖質がよく燃えることがわかりました。

ではなぜ、このような違いが出たのでしょう。
おそらくはアドレナリンというホルモンがその鍵を握っているのではないかと思います。

トウガラシに含まれているカプサイシンは、神経に働きかけて、副腎からアドレナリンの分泌を促します。
アドレナリンには心筋や血管を収縮させる働きがあるほか、糖質や脂質を分解する働きもあります。

トウガラシを少なく取ったときには、このアドレナリンが脂質を燃やす体のシステムを強く刺激する一方、多く取ったときには糖質を燃やす体のシステムをより強く刺激する。
それで、このような結果が出たのだと思います。

 

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